エアコンからぬるい風しか出ない7つの原因｜自宅でできる対処方法

エアコンを使用していて「ぬるい風しか出ない」と感じる場合、使用環境やエアコン自体に、不具合が起きていることが考えられます。
エアコンの効きが悪いと、必要以上に冷房を強くしなければならず、環境にも家計にもよくありません。
冷風が出ない原因は、自分で対処できる場合もありますし、修理業者への依頼や買い替えを検討しないといけないケースもあります。
まずは原因が何かを確認し、適切な対処方法を知ることが重要です。

こんにちは。
コブツマニアの榛田（はりた）です。夏場エアコンから冷たい風が出ないと、部屋が冷えなくて困りますよね。エアコンからぬるい風しか出ないときに考えられる原因を7つご紹介します。

エアコンからぬるい風しか出ない7つの原因

エアコンからぬるい風しか出ない原因は、以下の7つです。

• ・エアコンのフィルターが汚れている
• ・室温がエアコンの設定温度より低い
• ・エアコン室外機の周りに物が置かれている
• ・室外機に直射日光が当たっている
• ・冷媒ガスが漏れている
• ・リモコンの設定が間違っている
• ・エアコン自体が古い

エアコンからぬるい風しか出ないのは、エアコン本体か室外機に問題があるからです。
まずは原因を把握しましょう。

原因①エアコンのフィルターが汚れている

フィルターがホコリやカビで汚れていると、冷気がうまく室内に広がらなくなってしまいます。
汚れが原因の場合、フィルターの掃除が必要です。
フィルターの汚れは異臭の原因にもなります。
エアコンをしばらく使っていない場合は、エアコンの使用を再開する前に、一度フィルターをチェックしてみましょう。

原因②室温がエアコンの設定温度より低い

エアコンは設定温度に合わせて冷気を出しますが、室温が設定温度より低いと、冷気が出なくなります。
たとえば室温が25℃のときに冷房26℃で設定すると、室温のほうが低いため、エアコンから冷気が排出されません。
設定温度を下げると、また冷気を排出するようになります。

原因③エアコン室外機の周りに物が置かれている

室外機の周りに物が置かれていると、空気の流れが滞り、エアコンの動きが悪くなりやすいです。
とくに気をつけたいのがファン周辺。
ファン周辺を十分に空けておくことで、空気循環がよくなり、エアコンが正常に起動します。
また、使わない季節は室外機カバーをかけている方も多いと思いますが、室外機カバーを着用したままのエアコン使用は避けましょう。

原因④室外機に直射日光が当たっている

室外機には室内の空気を循環させ、熱を排出をする役目があります。
直射日光が当たっていると、熱の排出がうまくできず、冷風が出ない原因になるのです。
室外機は屋外に設置されるため、直射日光が当たりやすい環境にあります。
1mほど離した位置にすだれをかけたり、カーテン代わりの植木を植えたりすると、日光を遮りやすくなるのでおすすめです。

原因⑤冷媒ガスが漏れている

「冷媒ガス」とは、冷たい空気を出したり、暖かい空気を出したりするのに必要なガスのことです。
エアコンは、冷媒ガスが配管を通って循環することで、冷たい空気を出します。
循環する配管に不備があり、ガス漏れしていると、冷暖房が正しく稼働しません。
室外機の配管に霜が付着していたり、エアコン本体から水が出たりしていたら冷媒ガス漏れの疑いがあります。
冷媒ガス漏れは簡単に修繕できないため、プロの修理業者に依頼しましょう。

原因⑥リモコンの設定が間違っている

押した覚えがなくても、何かの拍子にリモコンを押してしまうことで、冷房以外の設定に変わってしまうことがあります。
枕元に置いて眠りにつき、就寝中に押してしまうケースも少なくありません。
省エネモードや暖房など、冷房以外の機能を使用していないか改めてチェックしてみましょう。

原因⑦エアコン自体が古い

古いエアコンは劣化により、冷暖房の効果が弱くなってしまいます。
内閣府経済社会総合研究所景気統計部が令和3年に集計したデータによると、エアコンの平均使用年数は13.2年。
消費動向調査 令和３(2021)年３月実施分
故障による買い替えが6割以上を占めていることから、10年以上使用しているエアコンには、故障が発生しやすいと言えます。

エアコンの保証期間は、本体が購入日から1年、冷媒回路が5年ほど。
メーカーや購入店によっては、保証期間の延長を依頼できますが、それでも最長10年ほどです。
平均使用年数や保証期間から考えても、10年以上使用している古いエアコンは、動作に不具合が発生しやすいと判断したほうがいいでしょう。

部屋に合ったエアコンじゃない可能性もある

エアコンには、それぞれ冷やせる部屋の適正サイズが決められています。
適正サイズ以上の部屋を冷やそうとすると、エアコンの能力不足で、十分に冷却されません。
ぬるい風しか出なくて冷えないのではなく、エアコンの能力と部屋のサイズが合っていない可能性はないか、改めてエアコンの性能を確認してみましょう。
適正サイズよりも部屋が広い場合は、サーキュレーターを併用することで、冷気が循環して室温がより冷えやすくなります。

エアコンからぬるい風しか出ないときの対処方法

エアコンからぬるい風しか出ないときは、まず自宅でもできる対処方法を試してみましょう。
自宅でできる対処方法は、以下の3つです。

・フィルターの掃除をする
・室外機の掃除と周囲の片付け
・サーキュレーターを回して空気循環をよくする

自宅でできる対処方法を試してみて、改善が見られない場合は、修理業者への依頼を検討したほうがいいかもしれません。

フィルターの掃除をする

フィルターを外してホコリを除去することで、空気の流れがよくなり、冷気を感じられる場合があります。
フィルター掃除の手順は、以下の通りです。

1. 1.フィルターを取り外す
2. 2.掃除機で大まかなホコリを吸う
3. 3.使わない歯ブラシなどを用いて目に詰まった汚れを水洗いで落とす
4. 4.日陰でよく乾燥させ、水分がなくなってからエアコンに戻す

フィルターは基本的に水洗いが可能です。
最近では、フィルターを自動清掃してくれるエアコンも増えています。
フィルター専用の清掃グッズを用いると、簡単かつきれいにフィルターを掃除することができるため、フィルター掃除が苦手な方にもおすすめです。

室外機の掃除と周囲の片付け

室外機の周りにはできるだけ物を置かず、空気の流れを阻害しないようにしましょう。
ファン付近はとくに注意が必要です。
物を設置したい場合は、約1mほど隙間をあけておくと、空気循環を阻害せずに済みます。
また、直射日光が当たらないように、片付けと同時に日差しよけの対策をするのも大切です。

サーキュレーターを回して空気循環をよくする

冷房の冷たい空気は、暖かい空気よりも重たいため、部屋の下側にたまりやすいです。
顔のあたりに冷気が来ないことから、「あまり冷えていない」と感じることがあります。
冷気を広げるためには、サーキュレーターが有効です。
サーキュレーターは室内の空気を循環させるので、エアコンの冷気を部屋全体に広げてくれます。

ぬるい風しか出ないエアコンを修理に出す費用

対処方法を試してみて改善しない場合は、冷媒ガス漏れや内部の故障のように、自分では修理できない問題が起きている可能性があります。
プロの修理業者に依頼し、修繕してもらいましょう。

しかし、プロの修理業者に依頼するには、費用が発生します。
エアコンの修理費用相場は、約2万円ほど。
故障の度合いによっては5～10万円の費用が発生する場合もあります。
修理するよりも買い替えしたほうが費用が抑えられるパターンもあるため、費用を比較して検討するようにしてください。

ぬるい風しか出ないエアコンの処分方法

エアコンは「家電リサイクル法」の対象品のため、処分するのに費用がかかります。
家電リサイクル法とは、家電に用いられている有用な素材をリサイクルするための法案です。

処分方法には、以下の3つがあります。

• ・自治体に引き取りを依頼する
• ・家電量販店で買い替えし、古いエアコンを処分してもらう
• ・不用品回収業者に依頼する

自治体に引き取りを依頼する

エアコンは自治体の指定場所に運ぶことで、廃棄可能です。
指定場所は自治体によって異なりますが、マンションの場合、マンション前が指定場所になることもあります。
手続きには家電リサイクル券の入手と、リサイクル料金の支払いが必要です。

家電量販店で買い替えし、古いエアコンを処分してもらう

新しいエアコンを買い替える場合、古いエアコンの回収を請け負っている家電量販店に依頼するのも一つの方法です。
家電リサイクル法対応の家電量販店のほとんどが、エアコンの回収を請け負っています。
買い替えのため、新しいエアコンの設置と、古いエアコンの回収を同時に依頼できるのがメリットです。

不用品回収業者に依頼する

不用品回収業者に依頼すれば、エアコンのように大きくて自分では処理が難しい家電も回収してもらえます。
引っ越しや断捨離で、たくさんの不用品が出ている方でも、まとめて部屋を片付けられるのがメリットです。

てっとり早く不用品回収の相場を知りたい時は、見積もりだけすることも可能です。最短10秒でできるのでやってみましょう。

まとめ

エアコンからぬるい風しか出ないときには、フィルターの清掃や室外機周囲の片付けをすることで改善する場合があります。
冷媒ガス漏れのような自宅で修理できない原因は、プロの修理業者に依頼が必要です。
修理費用と買い替え費用を比較し、修理するか処分するかを判断しましょう。

監修：榛田 圭悟

これまでにコブツマニアで700件以上の遺品整理を担当。特殊清掃、リフォーム、骨董品買取など幅広い経験を重ねた上で知識を取得し、お客様に寄り添った仕事をモットーとしている。一般社団法人 遺品整理士認定協会「遺品整理士」を所持。