
賃貸に住んでいて、引越しをしようと思った時、それまで暮らしていた部屋をどこまで掃除していいのか迷いますよね。今回は引越しをする時に部屋をどこまで掃除すればいいのかとその理由、スケジュールやポイントをご紹介します。
こんにちは。
コブツマニアの榛田(はりた)です。引越しの際に旧居を掃除するのには理由があります。片付けのプロから見た掃除の順番やコツをご紹介します。
目次
どうして引越し前の掃除が必要なの?
引越し先の新居の掃除はしますが、「今まで住んでいた部屋にも必要?」と思う方は多いでしょう。実は、旧居の掃除は必要なんです。というのも、部屋を借りている借主には部屋を借りた時の状態に戻す「原状回復義務」があるからです。
原状回復義務は、日焼けや経年劣化など普通に過ごしていてついた汚れについては免除されています。しかし、「子どもが壁に落書きをしてしまった」や「調味料などでシンク下の棚が汚れてしまった」という汚れについては元に戻す必要があるのです。そのために、掃除が必要になります。
どこを掃除すればいいの?
具体的に、どういった箇所や汚れや借主負担になるのか見ていきましょう。
借主負担 | 貸主負担 | |
壁 |
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床 |
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浴室 |
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キッチン |
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洗面化粧台 |
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トイレ |
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窓 |
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このように、借主負担で元に戻さなければならない箇所はかなりあります。特にキッチン系の汚れはきちんと落としておかないと、原状回復費用として敷金が戻ってこなくなることも。どういった汚れを掃除しておけばいいのか把握しておきましょう。
引越しで部屋を掃除するタイミングは?
引越しで部屋を掃除する時、タイミングがあります。例えば、引越しに向けてダンボールに荷物を詰めて行くと自然と部屋が狭くなりますよね。そういった時に床を掃除しようと思っても難しくなります。どんな順番で部屋を掃除して行けばいいのか、チェックしていきましょう。
日常使いする部分は日頃から
キッチンやトイレ、部屋など日頃から掃除している部分はいつも通り掃除しておくようにしましょう。
壁や床など、家具で隠れている部分が多い場合は荷物を出してから
壁や床は、家具で隠れている部分が多いため、荷物を全て運び出してから掃除をしたほうが効率的です。特に冷蔵庫の下などは、見えない汚れが溜まっています。荷物を運び出した後に掃除ができるようスケジュールに余裕を持たせましょう。
掃除道具は最後に運び出す
よくやりがちなのが掃除道具も引越しの荷物として運んでしまって、いざ掃除をしようとしたら道具が手元にないというケースです。大型家具を運び出してからでしか掃除できない場所もあります。あとで掃除がしやすいよう、掃除道具やゴミ袋は運び出さず、残しておくようにしましょう。
場所別:引越しで部屋を掃除する時のポイント
引越しで部屋を掃除する時、汚れが落ちないと困りますよね。どういう方法で掃除をすればいいのかをご紹介します。
トイレやお風呂、キッチンなど日常使いする水回り
トイレやお風呂、キッチンなど日頃から使っている水回りは、日頃からキレイにしておくと掃除もラクです。具体的な方法を見ていきましょう。
トイレ
<用意するもの>
- ・掃除用の中性洗剤
- ・掃除用の酸性洗剤
- ・雑巾
- ・便器掃除用のブラシ
- ・ビニールかゴムの手袋
<掃除の手順>
- 1. トイレ内に小物やインテリアがある場合は全て取り除きます。小物にもホコリがついていることがあるので、ふき取りましょう。
- 2. 換気扇、照明、壁の順に中性洗剤をつけた雑巾で拭いていきます。トイレは狭い個室であることが多く、その中で衣服を脱ぎ着するため、ホコリが起きやすくなっています。特に天井の角に汚れがたまりやすいので注意しましょう。
- 3. 手洗いボウルを拭きます。手洗いボウルは水垢がついていることが多いので、ここでは酸性洗剤を使いましょう。
- 4. 便器の表面、便座、便器の中の順に掃除していきます。まずは便器の表面や蓋を拭いていきます。便座が外れるタイプのものは、外してから細かな部分まで拭いていきましょう。便器の中を掃除する時は細かな部分まで掃除できるブラシタイプがオススメです。汚れが気になる人はビニール手袋をして掃除しましょう。
- 5. ドア、床を拭いていきます。特に床は尿の飛び散りがある場合もあります。黄ばんで見えたら、尿の飛び散りを疑いましょう。その場合には、重曹水やクエン酸水、セスキ炭酸ソーダのどれかを使えば大丈夫です。いずれも百均で手に入ります。
もし黒ずんで見えた場合には、黒カビが発生している可能性があります。消毒用のエタノールスプレーを使って除菌しましょう。
どの洗剤を使う場合も、最初は目立たない場所で使って様子を見ましょう。壁や床の素材によってはあわない場合もあります。
浴室
<用意するもの>
- ・ビニールかゴムの手袋
- ・お風呂掃除用のスポンジ
- ・お風呂掃除用のブラシ(使わなくなった歯ブラシでもOK)
- ・お風呂掃除用の洗剤
- ・お風呂掃除用のカビ取り剤
<掃除の手順>
- 1. まずは窓を開けたり換気扇を回したりして換気をします。
- 2. 浴室全体を水でぬらします。
- 3. 浴槽を洗います。
- 4. 床や壁、鏡を洗います。ピンク色のぬめりやカビがある場合には、最初は浴室用の洗剤で洗ってみましょう。ダメならカビ取り剤を使います。また、浴槽や鏡などに白いウロコのような汚れ(水垢)がある場合は、弱酸性洗剤を使うと効果的です。
- 5. 排水溝のチェックを忘れずにしましょう。排水溝の汚れがひどい場合には、カビ取り剤の泡スプレーを排水溝全体にかけて20分ほど放置した後に流します。まだ汚れが残っている時はいらない歯ブラシでこすりましょう。
キッチン
・シンク
<用意するもの>
- ・食器用洗剤
- ・クエン酸水(※水垢がひどい場合)
- ・スポンジ
- ・布巾
<掃除の手順>
シンクと蛇口の汚れは、中性洗剤をつけたスポンジでこすれば落ちます。水垢がひどい場合には、クエン酸水を吹き付けてから30分程度待ちましょう。最後に水分を全てふき取ります。
排水口のドロドロした汚れは、中性洗剤をつけたスポンジでこすればOK。汚れがひどい場合には、塩素系漂白剤をかけて5分ほどしてから流せばピカピカに。ただし、クエン酸水を使った後に塩素系漂白剤を使うと有毒なガスが発生してしまいます。クエン酸水を使った後は水で洗い流し、時間が経ってから塩素系漂白剤を使うようにしましょう。
・コンロ
<用意するもの>
- ・食器用洗剤
- ・スポンジ
- ・布巾
- ・油汚れ用の洗剤
<掃除の手順>
コンロ周りの油汚れは酸性になるので、重曹水などのアルカリ性洗剤が役に立ちます。コンロ周りを見てみて、焦げ付きや汚れがひどいようだったら、アルカリ性洗剤を吹き付けて2時間ほど置いてみましょう。ガンコな汚れの場合は、重曹水をキッチンペーパーにひたしてしぼってからコンロ周りに置きます。上からラップをしてしばらく置いておきましょう。
五徳や魚焼きグリルなど外せるものはたらいなどに入れ、重曹水を入れてつけ置き洗いをすると汚れが落ちやすいです。
あまりに油汚れがひどい場合には、油汚れ用の洗剤を使いましょう。
・コンロ脇の壁やレンジフード・換気扇周り
こちらも重曹水をスプレーして拭くことで掃除ができます。油汚れがひどい場合には、油汚れ用の洗剤を使いましょう。レンジフードや換気扇周りを掃除する時には、洗剤がしたたり落ちて来ることもあります。新聞紙などで周りをカバーしてから作業に取りかかりましょう。
・収納棚
キッチンのシンク下にある収納棚は、調味料や鍋などを入れているため汚れがつきがちです。こちらも重曹水をスプレーしてから拭きましょう。
壁紙
家庭で使用されている壁紙の9割がビニールクロスです。そのため、ここではビニールクロスだった場合の掃除方法をご紹介します。和紙や布などの特殊な壁紙だったり、昔ながらの土壁である場合には、業者に掃除を依頼したほうがいいでしょう。
・ビニールクロスの掃除手順
<用意するもの>
- ・モップ
- ・中性洗剤
- ・雑巾(水拭き用、乾拭き用でそれぞれ1枚)
<掃除の手順>
- 1. モップで壁についたホコリを落とします。
- 2. 水に濡らして固く絞った雑巾に中性洗剤を数滴落とします。
- 3. 手垢の汚れなどが気になる部分を拭いていきます。
- 4. 水拭きした部分を乾拭きして終了です。
自分の家の壁紙がビニールクロスかどうかわからない場合には、ごく少量の水を壁につけてみましょう。水がしみこまず、弾き返されるようであれば、ビニールクロスです。
床
・フローリングの場合
<用意するもの>
- ・雑巾複数枚もしくはモップ(科学モップやペーパーモップでも可。ドライタイプとウェットなタイプ)
- ・掃除機
- ・バケツ
<掃除の手順>
- 1. モップで床のホコリを取ります。(使うのはドライタイプ)
- 2. 掃除機やチリトリを使って集めたホコリを取り除きます。
- 3. 固く絞った雑巾や水にぬらしたモップを使って床を拭いていきます。部屋の奥の隅から始めて、だんだん後ろに下がる形で拭いていくと、拭いた部分を自分が踏むことがありません。雑巾を使う場合には、水でぬらした後にまとめて洗濯機で脱水すると手間がかかりません。水拭きした場所はすぐに乾拭きしていきましょう。
良く乾かせたらおしまいです。
・畳の場合
<用意するもの>
- ・ほうき、ちりとり(もしくは掃除機)
- ・バケツと雑巾、もしくはペーパーモップなどドライタイプのモップ
<掃除の手順>
- 1. 畳の目にそって掃除機をかけたり、ほうきでホコリを取ります。
- 2. 目にそって固く絞った雑巾やペーパーモップで拭いていきます。
- 3. よく乾燥させたらおしまいです。
・クッションフロアなどの化学素材などの場合
<用意するもの>
- ・化学モップもしくはペーパーモップ
- ・掃除機
- ・雑巾
<掃除の手順>
- 1. 化学モップやペーパーモップでホコリを取ります。
- 2. 掃除機でホコリを吸い取ります。
- 3. 部屋の奥の端から後ろに下がるようにして固く絞った雑巾で拭いていきます。拭いたらすぐに乾いた雑巾で拭くようにしましょう。汚れがひどい場合には、中性洗剤を少し雑巾にふくませて拭きます。
- 4. しっかり乾燥させたらおしまいです。
・カーペットの場合
ここでは一般的な賃貸に使われるカーペットフロアを前提とした掃除の方法をご紹介します。絹を使ったカーペットなど、高価な場合は専門の業者に依頼しましょう。
<用意するもの>
- ・ヘアブラシ(毛が短い場合には洋服用のブラシでも可)
- ・掃除機
- ・雑巾
- ・テープタイプのローラー
<掃除の手順>
- 1. ブラシで毛を起こして、中にあるホコリを浮き立たせる。
- 2. 掃除機でホコリを吸い取ります。
- 3. 粘着テープを使ったローラーで髪の毛など掃除機では取れなかった汚れを取り除きます。
- 4. 固く絞った雑巾で目にそって拭いていきます。
- 5. よく乾燥させたらおしましです。
窓
<用意するもの>
- ・新聞紙
- ・ほうき
- ・中性洗剤
<掃除の手順>
- 1. まずは窓サッシから掃除をしていきます。サッシを後にすると水分がたまり、汚れが粘土のようになって取りにくくなってしまうからです。サッシ部分をほうきで掃き、汚れを取り除きましょう。
- 2. 窓の外側から内側の順で掃除をしていきます。新聞紙を掌に収まる程度に丸めて、軽く水で濡らします。よく絞ってから弧を描くように上部から拭いていきます。ガンコな汚れがある場合には、中性洗剤をごく少量たらしてから乾拭きしましょう。
- 3. 乾いた新聞紙で仕上げ磨きをしておしまいです。
網戸
<用意するもの>
- ・新聞紙
- ・メラミンスポンジ
- ・バケツ
<掃除の手順>
- 1. 網戸の周りに新聞紙を引いておきます。(メラニンスポンジから出た汚れを取るため)
- 2. 掌サイズより大きなメラミンスポンジを水につけてから固くしぼり、網戸の上部から下に向けてこすります。汚れが取れたら水を張ったバケツにつけてからまた固く絞り、同じ作業を繰り返しましょう。
網戸には乾いた汚れが多いため、いきなり水で濡らすと汚れが固まってしまってり広がってしまうことがあります。メラニンスポンジは必ず固く絞りましょう。 - 3. 落ちたメラニンスポンジの破片を掃除機などで回収して終了です。
玄関
<用意するもの>
- ・ほうき
- ・チリトリ
- ・デッキブラシ
- ・掃除機
- ・重曹水などアルカリ性の洗剤
- ・雑巾
<掃除の手順>
玄関は砂埃やホコリ、手垢や花粉などで汚れています。それぞれに対して、効果的に掃除をしていきましょう。
- 1. まずは玄関を掃き掃除します。
- 2. 次に掃除機で細かなゴミを取り除きます。
- 3. デッキブラシと少量の水で床を磨きます。(※大理石やコンクリートの場合はデッキブラシを使わず、固く絞った雑巾で拭くようにしましょう)
- 4. 最後に全体を洗い流して玄関の床は終了です。
玄関周りの壁やドアノブはよく手あかがついています。こちらも、重曹水などアルカリ性の洗剤をスプレーして、雑巾で拭いていきましょう。最後に玄関ドアを拭いて、引越し前の掃除は終了です。
洗剤の特性はどうやって知ればいいの?
中性洗剤や酸性洗剤と言われてもピンとこない方もいるでしょう。
そういう場合には、市販されている洗剤の成分表を確認しましょう。
どのタイプの属性を持っているのかすぐにわかります。
まとめ
引越し前の掃除にはコツがあります。住んでいる部屋のそれぞれの場所についている汚れの特性を理解して、どうすれば汚れが落ちるのかの参考になれば幸いです。
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